Case

⼿根管症候群(carpal tunnel syndrome)

⼿根管症候群(carpal tunnel syndrome)


概説

手根管は手首に存在し、骨や靭帯や結合組織性の膜で形成されるトンネル構造であり、その中に腱・正中神経・血管が通過しますが、軟部組織の変性で肥厚等でトンネル内が狭くなり内圧が上昇し、正中神経を圧迫して神経障害、特に母指(親指)の筋萎縮(筋肉が痩せる)麻痺などが引き起こされます。
つまり、手首の中が何らかの変化で内部が増殖したり等で内圧が高まり、神経障害に至るものです。
一度麻痺が完成してしまうと筋力が元に戻らないケースもあるので、経過に注意が必要とされます。

原因

手根管内の結合組織の増殖や繊維化、肥厚、神経の絞扼などによる。
危険因子として糖尿病 透析 女性ホルモン 妊娠による浮腫 甲状腺疾患 肥満 高血圧症 職業的要因などがあげられます。
更に、手根管内圧の上昇の一因として結合組織の繊維化、アミロイド(タンパク質)の沈着が挙げられております。

保存療法概要

医療機関にかかっても診察は受けたものの特に良いリハビリや手術以外の治療法がなく、特に手術を要しないケースにおいてはセルフケアでは改善し難く、保存療法では有効な治療法が挙げられておらず、自然経過に任せるのも何処か物足りなく感じられることでしょう。
文献中によくみられる結合組織の繊維化、滑膜増殖、浮腫、弾力低下、沈着物、変性、肥厚などの結合組織の変化が及ぼす影響を考慮すると、超音波照射によって結合組織の伸張と繊維間の結合に可動性をもたし、弾力を得る可能性も考えられます。
正中神経内の静脈環流や浮腫、局所の代謝についても効果の検討を期待したいと思います。関節などに起こる結合組織の変化、拘縮などでは超音波の振幅や振幅摩擦からなる温熱効果が有効とされてきました。
コラーゲン繊維の結合に対しても、繊維間の振幅により短縮した結合組織の伸張が期待されます。
照射によりトンネル内の弾性や腱の滑走性が高まり次第、腱の滑走手技にてトンネル内の腱の滑走性を高め、関節モビライゼーションを利用した手根部(手首)の弾力を獲得することも好適条件と言える事でしょう。
好適条件下において、腱の滑走エクササイズやストレッチ等のセルフケアが容易に実施できれば経過にも更に寄与すると思われます。
【参考文献 Orthopaedics 手根管症候群の治療トピックス 2020年 全日本病院出版会】

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