Case

いわゆる猫背 thoracic kyphosis

いわゆる猫背 thoracic kyphosis


概説

・多くの方に見受けられ、働き盛りのデスクワーカーから加齢に伴うケースや、小児など、幅広い年齢層、職種にみられます。
・立位(立ち姿勢)ではわりと猫背ではなくても、坐位(座り姿勢)になるとみられる座り猫背など、条件によりみられる猫背など。
・単なる姿勢が悪いからと意識のせいだと思われたり、筋力不足のせいだと先入観を持ち筋力トレーニングを続けても改善が見られないケースも多々みられます。
・何れも時間の経過と共に病変は関節に及び、やがて関節が癒着して硬直してしまう関節拘縮への変化を辿ることとなります。
・更に猫背を長期に渡り続けていると骨形状の器質的変化により椎体前面が片減りして楔状に潰れて変形している事もあります。
・何れのケースでも脊柱前面の拘縮を伴っている事もあり、背中を自力で真っ直ぐに伸ばし難い、反れないなど、関節抵抗を日頃から感じておられることと思います。
・気が付けば猫背が進んだと感じられた方の中には呼吸が浅いと訴えるケースも見られます。

原因・病態:
脊柱前面拘縮によるケース

局所的に大きなファクターとして、脊柱前面に張り巡らされた前縦靭帯という強靭な結合組織と呼ばれる繊維や、椎間板などが関節の前面を構成しているものが、後弯姿勢(猫背)を取り続けることにより、拘縮(固まる、癒着)が徐々に始まり、次第に拘縮を完成させると可動性がなくなり関節の弾力を失い、自力でも他力でも背骨が反れなくなり丸まった姿勢のまま更に経過悪化を辿る事となります。

更に脊柱には幾つかの関節が存在しており、後方には椎間関節が一つの背骨に対して上下に各一対あり、上記と同様の機序でやがて可動域制限から拘縮へと移行して行きます。この関節はフラップに似た動きと、関節面を滑走する動きをする関節であり、可動性を失うと曲げることも反ることも制限されます。

その他には肋骨と連結する関節や、すぼんだ肋骨間すなわち肋間筋の短縮や、横隔膜、胸郭内側の膜状の組織等の短縮や伸張制限などがあげられます。

原因・病態:
デスクワークに潜む
猫背のリスクとファクター

Round shoulder(巻き肩)forward carriage of the head/forward head posture(頭部前方姿勢)
股関節インピンジメント症候群 (FAI)ヒップスパイン症候群(Hip spine syndrome)
骨盤後傾骨盤out flare(開き)腰椎後弯tight Ham(短縮したハムストリングス)
これらの筋骨格系障害や現象は若年層、労働者層にも広く潜んでおります。

施術方法

原因が胸椎(背骨)の後弯箇所の関節に限局しているケースでは、関節性の制限に対してはjoint play検査(関節弾力性)から得られた脊柱の関節弾力を基に、制限箇所、関節拘縮箇所に対して関節モビライゼーション法による操作を繰り返し、関節弾力の獲得と、不良アライメント・位置異常に対して整復を行います。
著しく弾力が乏しい器質的な変化、ズレや変形箇所が存在するケースでは超音波パルス照射による整復を行います。制限因子が筋性の制限に対してはストレッチ矯正を組み合わせます。

脊柱後弯因子・猫背を形成する要因に対しての施術方法
巻き肩・肩前方変位に対しては、大・小胸筋の短縮による前方への牽引力が強いケースが多く、胸筋リリースを行います。頭部前方変位に対しては、項部から上位頚椎・後頭下筋群の短縮除去及び頭部関節の関節モビライゼーションを行います。胸郭・肋間部の短縮に対しては深部体幹リリース及び関節モビライゼーションにより内部から伸張させ可動性を付け、角度修正を行います。骨盤後傾角に対しては骨盤開き(out flare)を締める整復操作を施し、更に角度を前傾させます。骨盤の側面の筋が短縮と膨隆し、後外側開きへと牽引力が働いており、筋の短縮除去後に関節モビライゼーション法により整復されます。股関節インピンジメントに起因した骨盤後傾、骨盤前傾制限に対しては、股関節の可動域獲得、関節治療により骨盤後傾の代償がない条件で最低でも90°以上曲がらなくてはならず、特にデスクワーカーでは制限の除去が必須となります。belttraction・関節モビライゼーション法、超音波神経操作、関節包照射法により整復を図ります。※FAIページ参照。腰が反れない腰椎伸展制限に対しては、胸椎と同様に関節性の制限においてはextension lateral bending rotation伸展側屈回旋手技(関節モビライゼーション法)等の関節のストレッチを行います。筋性の制限であれば体幹リリースを行います。頭部前方変位に対しては不安定な頚椎を固定しながら上位胸椎にgripテクニックを用いて可動性をつけアライメント整復を図ります。

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その他の症例

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